水質基準項目(51項目)

 水道法第4条に基づく水質基準は健康に関する31項目、水利用に関する20項目の計51項目から成り、水質基準に関する法令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定められています。水道水は水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体などに検査の業務が課せられています。
※ 文中における「原水」とは、河川水や地下水といった自然に存在する水道水の元となる水全般を指します。  

分類 項目 基準値 説明
健康に関する項目 細菌 1 一般細菌 100個/mL以下 水の一般的清浄度を表す指標です。塩素消毒を行うことでほとんどが死滅します。一般細菌が多数検出された水は病原菌に汚染されている可能性があります。
2 大腸菌 検出されないこと 人を含む温血動物の腸管内に存在します。塩素消毒を行うことでほとんどが死滅します。水系感染症の主な原因菌が温血動物の糞便を由来とすることから、大腸菌は糞便汚染の指標として用いられています。
重金属 3 カドミウム及びその化合物 0.003mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出によって、河川水から検出されることがあります。毒性が強く、イタイイタイ病の原因物質として知られています。
4 水銀及びその化合物 0.0005mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出によって、河川水から検出されることがあります。化合物の有機水銀は毒性が強く、有機水銀の一種であるメチル水銀は水俣病の原因物質として知られています。
5 セレン及びその化合物 0.01mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出によって、河川水から検出されることがあります。化合物には毒性の強いものがありますが、セレンは人体の必須微量元素でもあり、魚介類、肉類、卵などにミネラルの一種として含まれています。
6 鉛及びその化合物 0.01mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出、地質からの溶出によって、河川水から検出されることがあります。通常の水道水には含まれませんが、鉛給水管を使用している場合に溶出して検出されることがあります。
7 ヒ素及びその化合物 0.01mg/L以下 工場排水及び鉱業排水からの流出、そのほか温泉地帯の河川水から検出されることがあります。単体、化合物ともに毒性の強い物質です。
8 六価クロム化合 物 0.05mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出によって河川水から検出されることがあります。酸化クロム(Ⅵ)とも記述される毒性の強い物質です。
無機物 9 亜硝酸態窒素 0.04mg/L以下 窒素肥料や腐敗した動植物、下水などに含まれる窒素化合物が水や土壌中で分解される過程で硝酸態窒素やアンモニア態窒素とともにつくられます。 亜硝酸態窒素は、硝酸態窒素に比べて低濃度でも健康に影響が出るため、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素とは別に単独で基準値が定められています。 高濃度に含まれると乳幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ)を起こすことがあります。
10 シアン化物イオン 及び塩化シアン 0.01mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出によって、河川水から検出されることがあります。毒性が強く、化合物の一つであるシアン化カリウムは青酸カリとして知られています。
11 硝酸態窒素及び 亜硝酸態窒素 10mg/L以下 窒素肥料や腐敗した動植物、下水などに含まれる窒素化合物が水や土壌中で分解される過程で亜硝酸態窒素やアンモニア態窒素とともにつくられます。
12 フッ素及びその 化合物 0.8mg/L以下 フッ素イオンとして、原水及び水道水から検出されます。温泉地帯の地下水や河川水からは多く検出されることがあります。 適量摂取は虫歯の予防効果があるとされていますが、過剰摂取は斑状歯の原因となります。
13 ホウ素及びその 化合物 1.0mg/L以下 火山地帯の地下水や温泉からの流出によって、原水及び水道水から検出されることがあります。 千歳川浄水場系統からはホウ素が検出されますが、基準値を下回っており、健康に影響はありません。
有機物 14 四塩化炭素 0.002mg/L以下 主に化学合成原料、溶剤、塗料、金属加工時の脱脂剤、ドライクリーニングなどに使用される揮発性の高い物質です。地下水汚染物質として知られています。
15 1,4-ジオキサン 0.05mg/L以下
16 シス-1,2-ジクロ ロエチレン及び トランス-1,2-ジ クロロエチレン 0.04mg/L以下
17 ジクロロメタン 0.02mg/L以下
18 テトラクロロエ チレン 0.01mg/L以下
19 トリクロロエチ レン 0.01mg/L以下
20 ベンゼン 0.01mg/L以下
消毒副生成物 21 塩素酸 0.6mg/L以下 消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムの分解生成物であり、不純物として含まれる場合があります。
22 クロロ酢酸 0.02mg/L以下 消毒剤に含まれる塩素と原水中の一部の有機物が反応して生成されます。 クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの合計を総トリハロメタンといいます。
23 クロロホルム 0.06mg/L以下
24 ジクロロ酢酸 0.03mg/L以下
25 ジブロモクロロ メタン 0.1mg/L以下
26 臭素酸 0.01mg/L以下 水道水をオゾンによって消毒する際に生成されるほか、消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムに不純物として含まれる物質です。
27 総トリハロメタ ン 0.1mg/L以下 消毒剤に含まれる塩素と原水中の一部の有機物が反応して生成されます。 クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの合計を総トリハロメタンといいます。
28 トリクロロ酢酸 0.03mg/L以下
29 ブロモジクロロ メタン 0.03mg/L以下
30 ブロモホルム 0.09mg/L以下
31 ホルムアルデヒ ド 0.08mg/L以下
水利用上の障害に関する 項目 32 亜鉛及びその化 合物 1.0mg/L以下 水道管の亜鉛メッキからの溶出や工場排水からの流出によって検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となります。
33 アルミニウム及 びその化合物 0.2mg/L以下 水への溶解度は低いため、原水に溶存する量はわずかですが、水道水では浄水処理に使用するアルミニウム系凝集剤に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となります。
34 鉄及びその化合 物 0.3mg/L以下 原水に多く含まれています。水道水では鉄製の水道管から錆が剥離して検出されることがあります。高濃度に含まれると、赤水や金属味臭の原因となります。
35 銅及びその化合 物 1.0mg/L以下 給水装置に使用する銅管や真鍮器具からの溶出によって、水道水から検出されることがあります。高濃度に含まれると石けん水が青くなり、洗濯物を着色してしまうことがあります。
36 ナトリウム及び その化合物 200mg/L以下 原水及び水道水に含まれています。海水が混入すると高濃度で検出されることがあり、味覚を損なう原因となります。
37 マンガン及びそ の化合物 0.05mg/L以下 漁川ではマンガンの溶存濃度が高くなる時期があるため、浄水処理工程の「ろ過」の段階でマンガンを除去する設備を備えています。 そのため水道水では、ほとんど検出されていません。 消毒剤の塩素と反応して酸化すると黒色を呈するため、水道管壁に付着したものが剥離すると黒い水の原因となります。
38 塩化物イオン 200mg/L以下 原水及び水道水中に存在しています。下水、家庭排水、工場排水の流出、海水の混入によって高濃度に検出されることがあります。 高濃度に含まれると味覚を損なったり、水道管を腐食させる原因となります。
39 カルシウム、マ グネシウム等(硬 度) 300mg/L以下 カルシウムとマグネシウムの合計値を硬度といい、主に地質からの溶出によって検出されます。 硬度が高すぎると苦味や渋みのある水となり、石けんの泡立ちも悪くなります。逆に低すぎると無味に近くなり、特徴の無い水になります。 10~100mg/L程度含まれていると、おいしい水とされます。
40 蒸発残留物 500mg/L以下 水中に浮遊したり、溶解して含まれるものを蒸発乾固させた際に残る残留物の総量です。主にカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの無機塩類や有機物で構成され、適度に含まれるとまろやかな味になるとされます。 30~200mg/L程度含まれていると、おいしい水とされます。
発泡 41 陰イオン界面活 性剤 0.2mg/L以下 生活排水及び工場排水の混入によって、検出されることがあります。 高濃度に含まれると泡立ちの原因となります。
臭気 42 ジェオスミン 0.00001mg/L以下 カビ及び土の臭いを発する物質で、主に藻類の一種である藍藻類が原因となって検出されます。 漁川では放線菌という細菌の一種が原因となって水にカビ様の臭いをつける場合があるため、活性炭による臭気除去を行っています。
43 2-メチルイソボ ルネオール 0.00001mg/L以下 墨汁のような臭いを発する物質で、ジェオスミンと同様に主に藍藻類が原因となって検出されます。水にカビ様の臭いをつける場合があるため、活性炭による臭気除去を行っています。
発泡 44 非イオン界面活 性剤 0.02mg/L以下 生活排水及び工場排水の混入によって、検出されることがあります。 高濃度に含まれると泡立ちの原因となります。
臭気 45 フェノール類 0.005mg/L以下 工場排水やアスファルト舗装に流れた雨水の流出によって、検出されることがあります。消毒剤に含まれる塩素と反応するとクロロフェノールという物質を生成し、微量でも異臭味の原因となります。
基礎的性状 46 有機物(TOC) 3mg/L以下 全有機炭素量のことで、汚濁の指標として用います。土壌・し尿・下水・工場排水・農業用飼料など様々な要因で増加します。多量に含まれると、水道水の味に渋みをつけます。
47 pH 5.8以上8.6以下 溶液の酸性、アルカリ性の強さを0~14までの範囲で表します。7より値が小さくなると酸性が強くなり、水道管などの配管への腐食性が高まります。 7より値が大きくなるとアルカリ性が強くなり、配管にスケールと呼ばれるカルシウムやマグネシウムの堆積物が付着して詰まりの原因となります。
48 異常でないこと 水の味は、地質に含有する物質の溶出や藻類の繁殖、化学薬品や溶剤の混入、水道管の内面塗装剤の溶出などに起因することもあります。
49 臭気 異常でないこと 通常の水道水は、消毒剤の次亜塩素酸ナトリウム由来の塩素臭ですが、藍藻類の繁殖や水生生物、ジェオスミンなどのカビ臭物質やフェノールなどの有機化合物が混入すると異臭となります。
50 色度 5度以下 水の色の程度を数値化します。
51 濁度 2度以下 水の濁りの程度を数値化します。
水質管理目標設定項目(26項目)
 水質管理目標設定項目は評価値が暫定的であったり検出レベルは高くないものの、水道水質管理上注意喚起すべき項目として「アンチモン及びその化合物」から「アルミニウム及びその化合物」までの26項目(4,6,7,11は欠番)が設定されています。

項目 基準値 説明
1 アンチモン及びその化合物 0.02mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出によって、河川水から検出されることがあります。 合金や半導体の材料等、工業用材料として広く利用されていますが、化合物には強い毒性があります。
2 ウラン及びその化合物 0.002mg/L以下(暫定) 地質に由来して地下水から検出されることがあります。 天然に存在する放射性物質の一つです。
3 ニッケル及びその化合物 0.02mg/L以下 工場排水及び鉱山排水からの流出、ニッケルメッキやクロムメッキを施した給水栓からの溶出によって、検出されることがあります。ステンレス鋼に含まれており、酸化すると緑色を呈するので、ステンレスの蛇口や魔法瓶などに緑色の析出物が発生することがあります。
4 欠番
5 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下 塩化ビニル製造や溶剤として使用されています。
6 欠番
7 欠番
8 トルエン 0.4mg/L以下 染料や有機溶剤の原料であり、塗料の溶剤として使用されます。水道管の内面塗装剤からの溶出によって検出されることがあります。
9 フタル酸ジ(2-エキルヘキチル) 0.08mg/L以下 ポリ塩化ビニル製造の際の可塑剤として使用されます。
10 亜塩素酸 0.6mg/L以下 二酸化塩素による消毒を行った際に生成されて検出されることがあります。 石狩東部広域水道企業団では、二酸化塩素による消毒は行っていないため、検査を省略しています。
11 欠番
12 二酸化塩素 0.6mg/L以下 二酸化塩素による消毒を行った際に検出されることがあります。 石狩東部広域水道企業団では、二酸化塩素による消毒は行っていないため、検査を省略しています。
13 ジクロロアセトニトリル 0.01mg/L以下 消毒剤に含まれる塩素と原水中の一部の有機物が反応して生成されます。
14 抱水クロラール 0.02mg/L以下
15 農薬類 検出値と目標値の比の和として1mg/L以下 石狩東部広域水道企業団では、浄水場の取水施設上流部において農薬の散布が行われていないため、検査を省略しています。
16 残留塩素 1mg/L以下 消毒効果のある状態で残存している塩素の量を示します。 消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムは、水道水中において塩素による消毒効果を持ちますが、時間経過によって水中のほかの成分と結合して消毒効果を失っていきます。消毒効果を維持するためには、遊離残留塩素として0.1mg/L以上保持する必要があります。
17 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 10mg/L以上100mg/L以下 目標値の範囲内であれば、おいしい水とされます。
18 マンガン及びその化合物 0.01mg/L以下 水質基準に同じ
19 遊離炭酸 20mg/L以下 水に溶け込んでいる二酸化炭素の量です。適度に含まれると炭酸水のようなさわやかさを与えますが、過剰だと刺激を感じます。 3~30mg/L程度含まれていると、おいしい水とされます。
20 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下 ドライクリーニング用溶剤として使用されていた物質であり、特徴的な臭気を持っています。 工場排水などの流出によって原水に流れ込むと、異臭味を引き起こします。
21 メチル-t-ブチルエーテル 0.02mg/L以下 ガソリン添加剤として使用された物質です。地下水汚染物質として知られています。
22 有機物など(KMnO消費量) 3mg/L以下 土壌やし尿等による汚濁の指標として用います。KMnO4とは過マンガン酸カリウムという物質で、有機物が酸化される際に消費されるため、その消費量を測定します。
23 臭気強度(TON) 3以下 臭気の強さを測定します。検水を無臭味水で臭気が感じられなくなるまで希釈し、その時点での希釈倍数を示したものです。
24 蒸発残留物 30mg/L以上 200mg/L以下 目標値の範囲内であれば、おいしい水とされます。
25 濁度 1度以下 水質基準に同じ
26 pH値 7.5程度 水質基準に同じ
27 腐食性(ランゲリア指数) -1以上とし、極力0に近づける 水の配管に対する腐食性の指標です。数字がマイナス方向に大きくなるほど、水の腐食性が大きくなります。 逆にプラス方向に大きくなるほど腐食性は低下しますが、析出物による配管の目詰まりを引き起こすことがあります。
28 従属栄養細菌 2000個/mL以下(暫定) 配管内の水の有機物による汚濁具合や水道施設の健全性を表す指標となります。
29 1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/L以下 塩化ビニルやラテックスの原料として使用される物質です。地下水汚染物質として知られています。
30 アルミニウム及びその化合物 0.1mg/L以下 水質基準に同じ

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